5分でわかるイルカの生態!イルカとクジラの違いは?!

更新:2022.6.20

イルカショーをはじめ水族館のアイドルともいえるイルカは、海の生き物の中でも知能も高く面白い生態がたくさんあります。 今回はイルカの生態とイルカの魅力を紹介している本を紹介します。

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イルカの定義とは?

 

イルカは、クジラ目というクジラと同じグループに属しています。体の大きさでイルカかクジラかを判断していて、体長4~5メートル以下のものを、イルカと呼びます。

クジラ目は、ヒゲクジラ亜目とハクジラ亜目に分けられ、ハクジラ亜目に属する小型のクジラがイルカとされています。
ヒゲクジラ亜目で特に有名なのは「シロナガスクジラ」「ザトウクジラ」になります。

 

イルカの種類はどのくらいいるの?

 

イルカを含めるクジラの仲間は世界で90種類ほどいると言われています。

日本の水族館で見ることのできる「イルカ
・カマイルカ
・バンドウイルカ
・ハナゴンドウ
・オキゴンドウ
・スナメリ
・シャチ etc

17種類ほどのイルカを水族館で見ることができます。
 

何を食べているの?

 

イルカは魚類や甲殻類を捕食します。個体差はあるものの、1日に体重の1.5~14%もの餌を食べます。
イルカは岩の隙間にいるタコを引っ張り出し、空中に高く放り上げて海面に叩きつけることがあります。叩きつけることで弱らせて身をやわらかくしてい流のですが、タコも生命力が高く頭がなくなっても吸盤が動きます。そのため大きなタコだと、足の吸盤が喉に張り付いて息ができなくなり、死んでしまうこともあるようです。

 

イルカは目が悪いの?

 

イルカの視力は約0.1と言われ、超音波で物との距離を測っていると言われています。ただ、動体視力がとても優れています。

鳴き声のように聞こえている音は、呼吸孔の近くから発せられています。イルカの前頭部にはメロンと呼ばれる脂肪でできた器官という器官があり、水中では超音波を出して、その跳ね返ってきた反射音から物の距離や形の大きさを確認しています。この能力のことを 「エコーロケーション」 といい、100m先にある物の大きさも把握できるそうです。

 

イルカは歯が多いの?

 

バンドウイルカでいうと上下合わせて80~100本ほどの歯が生えています。
人間の歯は30本程なので倍以上の数になります。
また、人間と違いイルカの歯は生え変わることがなく、生まれてからずっと同じ歯を使い続けるという特徴もあります。イルカ達の歯は食べ物をすり潰す役目ではなく、主に獲物を捕らえて逃がさない為とされています。

 

イルカはどのくらいの時間潜れるの?

 

イルカは哺乳類のため肺呼吸で、水面に浮かびながら息がしやすいよう、頭の上に1つの噴気孔と呼ばれる穴があります。クジラは潜水時間が長いイメージがありますが、イルカの潜水時間は通常は1分間に2回ほど行い、長い時は15分くらい潜り続けることができます。れは肺の能力の違いで人は1回の呼吸で酸素の15~20%を身体に取り込むのに対し1回の呼吸でなんと80~90%もの量の空気を入れ替えることができるからだということです。

深海でダイオウイカなどを餌とするマッコウクジラは少なくとも1100m潜水することができ、MAX3000mまで潜ると考えられています。

イルカが泳ぐスピードは時速6〜15km、小型のイルカ類の瞬間最高時速は55kmで、これは自動車と同じくらいのスピードで泳ぐことができるということです。

 

寝ながら泳ぐことができるの?

 

寝ている時も水面に出て呼吸をする必要があるため、イルカは「半球睡眠」という、左右の脳を交互に眠らせることで泳ぎながら寝ています。
片方の脳で呼吸のタイミングを判断したり、敵や障害物から自分の身を守ったりすることができることが分かっています。

 

イルカはどうやって出産するの?

 

陸上動物は通常子供は頭から生まれてきますが、イルカの出産では人間とは逆の「逆子」で生まれてきます。出産も水中で行うので、生まれた子供は呼吸するために水面に自力で浮上しなければなりません。また、もし仮にうまく出てこれなかった場合水面に出て呼吸ができず、溺れてしまうため、ぎりぎりまで呼吸する必要が無いよう逆子で生まれてくるといわれています。生まれてからイルカの赤ちゃんは水中で親からお乳をもらいます。
 

イルカがいじめをするのは本当なの?

 

イルカは知能が高いためコミュニケーション能力が高く、性格があり意思表示もできます。実は知能が高いゆえに、イルカの世界にもいじめが存在するようです。自分より小さいイルカをいじめたり、強く噛みついたり、精神的に追い詰めたりします。他の動物にみられる一対一のいじめだけでなく、集団で一頭をいじめるケースもよく見られます。いじめを受けたイルカは体重が減少したり、胃に病気を抱えたりします。
イルカがいじめをする理由としては、ストレスや不満を抱えるとみられる行動のようですが、群れで行動する以上、共通の敵を作ることで結束力を作る、また劣った個体を排除することで種の質を保つという考え方もあるそうです。

 

イルカのおすすめ本「海獣学者、クジラを解剖する。~海の哺乳類の死体が教えてくれること」

 

著者
田島 木綿子
出版日

日本一クジラを解剖してきた研究者「田島木綿子」、七転八倒の毎日とともに綴る科学エッセイ。クジラの生態や謎に迫ると共に、知られざる研究者の調査現場での苦悩が取り上げられていて読んだ後には誰かに話したくなること間違いなしです。

 

イルカのおすすめ本「クジラ・イルカの疑問50 (みんなが知りたいシリーズ9)」

著者
["加藤秀弘", "中村 玄"]
出版日

単純な疑問や少し専門的な疑問に、クジラ・イルカの専門家17名が答えています。一つ一つの疑問にわかりやすく答える内容なので魚や哺乳類の中でも特別な作りをしていることがわかります。

 


クジラはなかなか気軽に見ることはできませんが、水族館などイルカを見ることができる機会は多いのではないでしょうか。イルカの生態について詳しくなって水族館に行くと今までと違った楽しみ方ができるはずです。

 

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